やさしい嘘

日記

人を待つということ。

鎌倉のおばさまは、私の大学時代の友だちのお母様。当時私は、大学近くのアパートでひとり暮らしをしていた。私の両親はお互いの仕事を持っていて忙しくしていたので、私の事までは考える余裕が無かったのだろう。大学生になった私は、親元を離れてひとりで生活を始めた。料理・洗濯・掃除など試行錯誤でやっていた。両親から電話が来たのは、『お正月はひとりで過ごすの?』という確認くらいだった。全く育て方にブレが無いというか、信用されていたのか。まぁ、そのお陰で大抵のことはすぐに一人で出来るようになった。そんな私をいつも手助けしてくれていたのがおばさまだった。困った時も卒業の時も社会人になってからもどんな時もそうだった。おばさまの美味しい夕飯を頂いた後は、友だちとふたりでお風呂に入って布団に枕を並べていろんなことを話した。私は彼女と青春時代のほとんどを一緒にいた。それから月日は流れて、今おばさまは大きなお家にひとりで生活されている。もう会えない娘さんのことが受け入れられないでいる。人生は人それぞれ、長くも短くもある。おばさま、一歩前に進むのはご自身にしかできません。今おばさまに必要なものは、慰めや優しい言葉ではないと思うんです。偉そうなことを言って申し訳ありませんが、私はただ待つことしか出来ないんです。

やさしい嘘

大学時代、友だちと京都旅行に行った時のこと。1日目の夕方から友だちが熱を出した。深夜バスで朝京都に着き、あまり休まずに観光したので疲れを出したのだろう。旅館に着いて夕御飯を食べて早めに布団に入った。薬を買いに行こうにも近くの薬局は閉まっているし、友だちは『私のせいでごめんね。風邪をひいたみたい。』と元気がない。ふたりで枕を並べていろいろやってみるけど、なかなか眠れない。そのうちに友だちは『何か薬の代用品持っていない?元気になればそれでいいんだけどな。』と私に話しかけた。なんとかしてあげたいけど、手持ちはあいにくこれしかないしと胃薬を握りしめていたら、友だちは『その風邪薬を飲んでみる。』と言い、その薬を飲んでしまった。そして翌日、彼女は目覚めるなり『本当にありがとう。スースーして体調がすごくいい。』と私に言った。これは私だけの思い出、まぁ良しとしようか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました