散歩

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狐の嫁入り

今までに一度だけ、『狐の嫁入り』を見たことがある。夏の終わりの暖かい日の夜のこと、私はまだ高校生だった。目の前の山の中程に、連なるいくつもの松明の火が山頂に向かっていた。赤い点々が順番に点滅するように、ぼんやり浮き出ては消えるように進む行列...
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秋の終わりの頃。

『また来ようね。』 昨日から母が泊まりで遊びに来ている。『いつまで足腰の自由がきくか分からないから。』そんな事を母はもう何年も前から言っている。帰省した息子達と出かける際にも『これが最後のドライブかな、お婆ちゃんもう年だし。』と真顔で言うか...
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夢の跡

夏と秋の狭間に。 出張も兼ねて、母と一乗谷に行った。それはまだ夏と秋の狭間の汗ばむほどの暑い日だった。午前の仕事が早く終わったので、母と一緒に車で向かった。数日前に地元の方から『流行りの観光地もいいですがこの辺に来られたらぜひ、一乗谷は風情...
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午後のガーデンテラス

強い人 20年ぶりに、大学時代の友だちと六甲山で再会した。彼女とはクラスは違ったが心理学のゼミでよく話をした。彼女は良い成績を収めて念願の研究所に入り、そこで何年もの間すべてを犠牲にして働いた。しかし、10年ほど前に体調を崩してしまい手術を...
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なんでもないようなこと。

母と電車で浅草へ。 お天気が良かったので、母と浅草寺まで出かけた。時間があれば合羽橋でお皿を見てもいいし、たまには仲見世でランチを食べるのも楽しそう。観光地ということもあっていつでも混んでいて、わざわざ疲れに行くようなものだし。そう思ってい...
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夏の終わりに。

いつかの駅で 国道からはずれて田舎道を走って行くと、線路沿いに木造の小さな駅がある。時代に置いて行かれたようなその駅は夕暮れ時のせいか、何処か懐かしいような胸がキュンとする感じがする。前に立ち寄った時には、震災を応援する風鈴がいくつも掛けら...
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ゆりかもめに乗って。

忘れていた計画。 今日は午後から母と一日乗車券でゆりかもめに乗った。新橋で乗って二駅目で外人さんが降りたので一番前の席に母が座った、それから、三駅は椅子につかまって景色を見ていたが席が空いたので私も座った。平日の二時過ぎとあってあまり混んで...
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護衛艦「せとぎり」

「海の日」の計画。 今年の「海の日」は次男と一緒に、手作りの牛乳かんにフルーツをのせて食べたり、近所を散歩もいいなくらいに考えていた。衣替えの荷物を車に積み込むため部屋で寛いでいると、午後になって息子が帰って来た。『やっぱり、お母さんのご飯...
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福井県立恐竜博物館

福井県勝山市にある『福井県立恐竜博物館』は、恐竜をテーマにした博物館としては日本最大級の規模で、カナダのロイヤル・ティレル古生物学博物館と中国の自貢恐竜博物館とならび世界三大恐竜博物館の一つとなっている。博物館は恐竜の卵のような形をしていて...
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ふらっと六本木。

ポジティブ思考 『お母さん、ただいま。』と言って、長男が勢いよく小学校から帰って来た。私が、ランドセルはどうしたのかと聞くと『あ、忘れた。もう一回、行ってきます。』と答えて、モーダッシュで小学校に向かった。そんな事が何回あったかな?、本当に...