少年の友情

日記

遠足から帰った長男が、『お母さん、ごめんなさい。』と言いながら、しょんぼりして私にお弁当箱を渡した。開けてみると半分くらい中身が砂まみれだった。私が『半分しか食べられなくてお腹空いているんじゃないの?』と聞いたら、『タイガが落とした。でもシンちゃんと一緒に拾ってから、砂のついてない所を一緒に食べた。シンちゃんのお弁当も半分食べた。』そう話してくれた。…私にとって長男ははじめての子育てだったので、育てることで精一杯だった。だから本当は教えてあげたかったことも教えなくてはならないことも、少ししか伝えられなかった。でも本来母親というものは、子育て中に子どもからも多くのことを学び、ベテランお母さんになっていくものなのだろう。「落としたお弁当の中身を大切に持ち帰る優しさ、ごめんなさいと言える勇気、タイガが悪いと言わなかった強さ。」そんなことを息子から教わりながら、私は強い母親になれたような気がする。きっと大人の知らないうちに少年達は、目に見えないたくさんの大切なものを、ひとつひとつ見つけたり学んだりしていたのだろう。

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