海を見ていた午後。

日記

カモメの選択

私が昔読んだ本の中に、『カモメになりたい青年と人間に憧れていたカモメの話』があった。青年は海で空を見上げる度に、カモメのように何も考えないで空を自由に飛んで今の生活から抜け出せたらどんなに幸せだろうかと考えた。カモメも、人間になれたらきっと幸せになれると信じていた。人間になったカモメは、何年か経って町のレコード店を訪れる。ほんの少しだけカモメの鳴き声が入っているレコードを聴くために。カモメはそれを懐かしそうに聴くが、人間になれて良かったのかどうかは本に書かれていなかった。…それから人生の交換をして、カモメになった青年は幸せになれたのかな…なんて。

『山手のドルフィン』

もう何年も行っていない。ユーミンの歌にも出てくる山手のドルフィン。私が初めて行ったのは、大学の友だちとオリーブの本を片手にお店を探して歩いた学生時代だった。講義が休校になった平日の午後は、ドルフィンの窓辺の席が空いていた。何が美味しかったとかお店がお洒落とかはどうでも良くて、その頃の私はユーミンの歌に出てくるお店に辿り着けたことで幸せいっぱいだった。友だちと何を話したのかも覚えていない。でもね、友だちと2人で緑のドルフィンソーダを注文したことは絶対忘れない。

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