幼稚園の帰り道に見つけた四葉のクローバーを、長男が大事そうに私に見せてくれた。『お母さんにプレゼント』『お母さんが持ってて。』そう言って渡してくれた。時々、長男は帰り道に見つけた宝物を幼稚園カバンに入れて帰って来ることがあった。それが土のついたダンゴムシだったり、幼稚園カバンいっぱいのドングリだったりした。それから数年して次男も幼稚園に通うようになった。ある時彼が息を切らせて、幼稚園から走って帰って来た。『宝物見つけた。お母さん、急いで。すごいもの見つけた。』そういいながら私の手を引っぱって、少し前に宝物をみつけた場所へ向かった。それから長いことふたりで探してやっと宝物を見つけて…『オイラ、これをお母さんに見せたかったんだ。』と次男が自慢げに言った。たぶん、長男が何年か前に私にくれた四葉のクローバーもここで探してくれたのだろう。それから月日が流れて再びこの場所で、今度は次男が同じように宝物を見つけ出した。…帰り道に手を繋いで歩きながら『宝物を持って帰らなくてもいいの?』そう聞いてみた。そしたら『また、ふたりで宝物を探そうね。』と答えた。人を大切に思う優しさの形はいろいろあって、そのどれもが特別であたたかい。
‥あたたかいコメントありがとうございます。
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