思い出

日記

ふたつの宝物

幼稚園の帰り道に見つけた四葉のクローバーを、長男が大事そうに私に見せてくれた。『お母さんにプレゼント』『お母さんが持ってて。』そう言って渡してくれた。時々、長男は帰り道に見つけた宝物を幼稚園カバンに入れて帰って来ることがあった。それが土のつ...
散歩

狐の嫁入り

今までに一度だけ、『狐の嫁入り』を見たことがある。夏の終わりの暖かい日の夜のこと、私はまだ高校生だった。目の前の山の中程に、連なるいくつもの松明の火が山頂に向かっていた。赤い点々が順番に点滅するように、ぼんやり浮き出ては消えるように進む行列...
日記

やさしい嘘

人を待つということ。 鎌倉のおばさまは、私の大学時代の友だちのお母様。当時私は、大学近くのアパートでひとり暮らしをしていた。私の両親はお互いの仕事を持っていて忙しくしていたので、私の事までは考える余裕が無かったのだろう。大学生になった私は、...
日記

硬貨の表と裏

ポジティブ思考 私が大学時代に、ボーヴォワールの『第二の性』の講義を受けたときの話。教授は、男女の待遇や男女同権論について説明した後、「第二の性」の本を片手に『興味のある人は読んで下さい。初めての授業なのでよく分からない人は、興味のあること...
日記

アンのお道具箱

魔法のランプのように。 蚤の市で購入した古いCAKEとロゴの入ったお菓子箱、よくケーキや焼き菓子を保存するのに使われていたらしい。今は、私が裁縫道具入れに使っていてハサミ・針・指抜きなどが入っている。それから、息子に貰った肩たたき券や困った...