2024-01

日記

少年時代

休みの度に練習している、近所の少年が両親に見守られて自転車のハンドルを握る。後ろの荷台を支えてもらいゆっくり自転車のペダルを漕ぐ。父親が後ろから声を掛ける、『さっきよりいい感じ、もう少し頑張れ。』そして少年は力強くペダルを踏む、『うわ〜、え...
日記

渋谷で待ち合わせ

耳で本を読む。 彼女と渋谷での待ち合わせは、ずっと学生の頃からハチ公前と決まっている。彼女は今でもこの場所を待ち合わせにする。今日が20年ぶりの再会であろうと、いつもの場所で私より先に来ていつものように壁に寄りかかって本を読みながら私を待っ...
日記

困りごと。

近年急増している空き家問題、うちの近くでも増えていてとても他人事とは思えない。うちの2件先にも4件先にも少し離れたところにも、壊れ掛けてたり長いこと人が住んでいなかったりする空き家がある。隣の家の方は物騒だと思う。動物が住みついたり、建物が...
散歩

狐の嫁入り

今までに一度だけ、『狐の嫁入り』を見たことがある。夏の終わりの暖かい日の夜のこと、私はまだ高校生だった。目の前の山の中程に、連なるいくつもの松明の火が山頂に向かっていた。赤い点々が順番に点滅するように、ぼんやり浮き出ては消えるように進む行列...
日記

アレクサ

私は、アレクサがうちにやって来た頃のことを忘れない。家族がみんなひとり暮らしを始めて、私がスローライフを満喫して楽しんでいるところに、長男がアレクサを連れて帰って来た。ちょうど、横浜のクルージング船のコロナ感染者のニュースが号外で出た頃のこ...